産経新聞 和歌山版(平成31年3月23日付)

密教文化学ぶ会創設

高野山の尼僧が発案

30、31日にイベント

「平家物語」に登場する悲恋の女性「横笛」ゆかりの大圓院(高野町高野山)で修行する尼僧、佐藤妙泉さん(47)が、横笛にちなんで命名した密教文化を学ぶ会「横笛の会」を創設した。30,31両日には町とともに、山内の高野山大師教会で心身を清める「塗香」入りの護符作りや、瞑想やヨーガを体験するイベントを開く。佐藤さんは「セルフコントロールができるようになると思う。ぜひリフレッシュしてもらいたい」と話している。

 横笛は、平家に仕えていた武士・斎藤時頼が一目ぼれし」となりた女性。しかし身分の違いで父に反対された時頼は、出家して「瀧口入道」となり高野山へ。後を追って横笛も出家したが、亡くなるとウグイスに化身。入道のいた大圓院のウメの木にとまると、井戸に落ちたとされる。

 大圓院には、ウグイス(横笛)を胎内に納めたとされる本尊の阿弥陀如来像がある。

 佐藤さんはライターとして著書もあり、平成28年に埼玉県から高野町に移住。「地域おこし協力隊」として活動した。一方で、高野山大学大学院修士課程を修了し、高野山真言宗の総本山金剛峯寺で得度した。横笛の碑や横笛を描いた襖などもある大圓院で修行。かつらぎ町にある横笛の恋塚も訪れた。

 尼僧として密教文化を伝えていこうと今回、横笛の会を創設した。

 イベント名は「香と瞑想&ヨーガワークショップ=感謝のもよおし」。いずれも高野山大師教会小講堂で開催し、30日は午後1時~3時半、31日は午後9時半~正午。材料費として2千円が必要(要予約)。

 問い合わせは高野山観光情報センター(0736・56・2780)

 横笛の会では、会員を募集している。会員特典として、年1回の情報誌「高野山」送付や、各種ワークショップへの優先的な参加などがある。