重陽の節句によせて

弘法大師御影供

9月9日は重陽の節句です。無病息災や健康長寿を祈るのに適しています。

邪気祓いにもよい。

奇数が重なると縁起がよいということで、これはいまのエンジェルナンバーといった考え方にも通じると思いますが、数秘に基づいた考え方。五節句のひとつですが、日本ではあまりなじみがないのも事実です。

9という並びが縁起がよいのかそうでないのかが、日本では問われるところ。

吉凶あいまみえるといった、スリリングな日という解釈まであるほどです。

真言密教の金剛界曼荼羅は九会あります。密教では数字の9はよい数字とされますし、4もまた、四所明神にもある数字ですし、こちらも悪いとはみなされませんね。

また前哨が長くなりました。

9月9日は、三石不動尊で弘法大師御影供の法要が執り行われます。

山麓寺院の組寺の月例の法要で、一年に1回、当番がまわってくるのです。

ことしはそれが、9月9日となりました。

神供壇の梱包をときました

弘法大師御影供に合わせてと意図したわけではないのですが、やはりそれはそういうことなのでしょう。神供壇とは、とくに護摩祈祷のあとなどに行われる、小さき神々を供養するための特別な壇です。この壇は、故・田輪格さん(高野最後の建具職人さん・今後新規開業される方があれば最後ではなくなりますが・・・)がお作りになり、一番はじめに「高野山伝統産業展」(2017年秋に高野山で開催)に展示するためにつくってくださったもの。

この展示会を企画したのが当時、高野ブランド創出事業の担当者だったわたしでした。

田輪格さんは展示会が終わってからご自宅の玄関にわりと長い間、この壇を飾っておいででした。

梱包されたのは平成31年2月28日と書いてあります。わたしが高野ブランド創出事業担当が終わる約一か月前です。

それから6年、田輪格さんは令和6年3月にお亡くなりになりました。奥様から形見分けにといただいたのが、かの神供壇です。

ふしぎなめぐりあわせ。

平成29年に伝統産業展に出された真新しい神供壇は、令和6年にその催しの主催者だった私のところに。それを令和6年9月8日にあけて、ふたたび展示してみました。(まだ拝んではいません)

高野ブランド創出事業に従事していたころ

高野山に来て一年目はいろいろな場所で開催される催しに参加しておりました。

こちらは平成28年秋だったと思います。

まだ得度もしていません。

それでも、弘法大師と高野山の文化をお伝えするため日々、一生懸命でした。

令和6年9月8日、明日の法要の準備を終えて、内護摩の二座目を修して帰宅準備をしていると新しい信徒さんがお水をくみにおこしでした。

三石不動の本堂にはじめて入られて、ご供養をなさいました。

「なかがこんなになっていたなんて初めてしりました」本堂にはじめてはいられた、この場所をしっていたみなさんが異口同音におっしゃる言葉です。

小さなこのお堂。かつては不動尊堂。江戸時代ころから大師堂。

現在の建物は昭和初期に建築されたものです。これからも、みなさんで大切にしていっていただきたいですね。