弁才天の軌跡
空へ!
6月9日~16日までの不思議な一週間も収束にむかいつつあります。
現在、弁才天秘法は43座終了。
6月中に50座、8月15日までに100座結願の目標です。
いま、「空」について理解が深まります。
執着しないことが大切なのは・・・
どんなことでも、すべてがつながり大日如来の顕現であるということが
身をもって体験したことで理解できるからです。
この1週間でわたしは過去に行き、行動し、さらに現在に戻りました。
現在では伯父のお見舞いにいって手をにぎり、従姉妹と魂の対話をし
娘の本音を聞くことができ、妹の浄化の涙をみました。
わたしの修法は、また過去に戻り宝珠をだきしめるというこの宗教的な神秘体験は
現在の家族・親族との関係でもいろいろな変容を起こしました。
過去では、但馬の寺の焼き討ちのこと、祖母が大阪で建立して地蔵祠のこと、伯父が僧侶となりしごとをした寺のことなど、さまざまな事象が立ち上がってきました。
現世のみかたでは、一見、関係のないような事象にみえることは、じつはつながっていて、一本の真実を織りなします。
すべてはだから、肯定し、見守り、握りしめず放つことでよいのです。

地蔵とは暗闇を知るもの
祖母が大阪で太平洋戦争敗戦後に、さまざまなことを思って地蔵祠を建立したことは
おそらく私の現在に直接つながってきていることでしょう。
わたしの親族は多くの人間が良い悪いではなく、信心深い人々です。
祖母が行ったお地蔵さまへの誓願は、女神の願いであったと思います。
大正生まれの女性が地蔵祠を建立してその地域を祭祀するなどということは、
普通のことではありません。
女神のねがいとは、「平和」「非暴力」「自由と軽やかさ」「豊穣」など、ポジティブで明るいものです。しかしそこに到達するには、暗闇を通り抜けなければなりません。
闇の中でしか生まれないものがあるからです。
それが地蔵です。
わたしの魂のかけらが、長い間、塔のてっぺんにとじこめられていたのなら、その少女の魂は闇に磨かれていました。闇のなかでときに涙を流しながらも、「そのとき」を待っている宝珠のすがたがわたしには見えました。
そして過去に行って迎えに行ってきました。
これはおとぎばなしでもアニメーションでもありません。
令和7年吉祥の6月に密教僧、佐藤妙泉の身に起こったできごとです。
わたしは過去にいき、過去のわたしが不思議に思っていたことは、じつはいま、現在のわたしがおこしたことであったと深く知りました。
そして、未来のわたしのもつ光をみて、いまを進んでいることもわかりました。
弘法大師もおっしゃった、過去現在未来のしくみが、実際の時空間をこえることで、わからせていただきました。
弁才天秘法。
43座。そして100座へ。
密教の修法を行うことで、普通なら来世へもちこさなければいけなかった魂の課題を放つことができたことに安堵しました。
そして、明日の観音さまご縁日には、現世の「地」に立ち戻り、こんかいの神秘体験のなかで教えていただいたことをみなさまに共有できたらと思っています。
わたしがいまこうして歩んでいる道は、むかしだれかが種をまいてくれたことで、広がっています。
そして過去の自分自身が願ったことが、いまのわたしをつくっています。
そこには苦しみも見たくないことも、なかったことにしたいことも、たくさんあります。
それでもなお、光を待つ者たちはいつか深く「納得」するときがやってきます。
「納得」とは「安堵」です。
安堵して、一息いれたら、また再び歩き出す。
そして岐路では真摯に問う。
問い続ける人にこそ、仏はいつか答えをくれます。
わたしはこれでよいのです、このままで進んでだいじょうぶなのです。
「だいじょうぶ」。それも、いつか、聞いたことばです。