ネパール・パタン滞在

仏具職人のまち、パタン

令和6年11月10日~12日までパタンに滞在しました。

パタンは仏具職人のまちで、仏画であるタンカやマンダラ、仏像などのお店がたくさん立ち並びます。

いわたしは時間があればまちを歩き回り、仏具をみてまわりました。ネパールは政治体制が激変しているので伝統産業のものを購入するなら今がよい時期です。いろいろ見て回りましたが、実際に購入したのはシンギングボウルと曼荼羅デザインのピアスです。それにパタンではなくボダナートの職人さんからダマル太鼓も購入しました。

念願のドゥヨーマーと会う

ところで、わたしは、ネワール仏教の祈祷師であるドゥヨーマーに出会いたいと思っていました。

パタンでも有名なゴールデンテンプルに、知人の友人がバジュラチャリアとしておられてご紹介いただいたので、そのつてで、ゴールデンテンプルの近しい信徒さんの方が営むアパートメントに2日間滞在させていただくことができました。

その間に、「ドゥヨーマーにあいたい」と言い続けていると、バジュラチャリアの奥様が「こどものころ、調子がわるくなったとき母に連れていってもらっていたドゥヨーマーがいた」と思い出してくださり、その方はネパール地震の前後におなくなりで、数人いた同じような祈祷師も減っているということだったのだけれど、つてをたどって連絡をとってくださったら、その子どものときにみてもらっていたドゥヨーマーの娘さんが現役で祈祷をしているということがわかったのです。

そして私が会いたいといっているからといって、連絡をとってくださり、会えたのが、パタンを去る日の11月12日でした。

目力がとてもあって、笑顔がかわいい49歳のドゥーヨーマーと小一時間くらい話し込んだでしょうか。19歳から49歳のいままで、もともとは実母に教えてもらいながら祈祷をしてきたそうです。現在は、妊娠中の妊婦さんへの胎教なども行うそうです。また、夜中に急に調子が悪くなった人のもとへかけつけて祈祷をするそうです。

特別なマントラや灰、仏具も用います。

具体的な方法は秘密だそうですが、地母神に礼拝するということでした。もちろん仏教の神ターラ尊などあらゆる神々の力をかりることも多いそうです。

病気の方の悪いものをもらって自分自身体調がわるくなることもあるそうです。

そんなときには地母神にお供えをします。

わたしの日常の祈祷と共通することもいくつかあり、彼女、ソバナさんと会えたことがとても収穫でした。最後に実際に背中のお加持をしてもらいました。ちょうどそのときわたしは腰痛があったのですが、それをすぐ言い当てられました。肩に触れていただくと風がふきました。力のある方です。

まちには少なくっているドゥヨーマーもカントリーサイドに行けばまだまだいるし、また若い人の希望者もいるということでした。ただ、若い人は入ってきて思わぬつらいことに直面するとすぐにやめてしまう人も多いということでした。多様化の時代にはどこもそうなんですね。

パタンでのおまつり(ゴールデンテンプル)

パタンでは11月10日は年に一度の秋祭りのような大きな催しが開かれていて、関係者が勢ぞろいでした。日本の御神輿にも似たようなところにお釈迦様を安置してまちじゅうを練り歩きます。とてもにぎやかで私も一緒に練り歩かせていただきました。楽しい雰囲気です。

思えば、その前日の9日にも現地で落ち合った僧侶の方といっしょに訪れたのですが、このときは信者さまたちがターラー尊21尊の法を行っておられ、参座させていただきました。経典を読誦するそのやわらかな音色と、僧侶ということでとても大切に扱っていただけたことが印象的でした。

この法要の雰囲気がよかったので、三石不動尊でも来年の落慶90周年にこのような信者さん主体のいのりの会ができたらいいなと思いました。ゴールデンテンプルのターラ尊供養、こんな感じです。

さてパタンでの滞在中は、ありがたいことに、アパートメントなので自炊ができて、ネパールの辛い食事ですこし胃腸の働きが鈍くなっていた私は、野菜と即席めんを買ってきて柔らかい味付けで食事をつくることができました。

また、勉強や仕事ができるデスクもあり、14日に迫っていたデリーでの講演の準備をするにも助かりました。何度も何度も英語のスピーチの練習をパタンのアパートメントでしました。もし近い将来、インドの大学に一定期間とどまることになったなら、こんなところで住むんだろうなと考えました。

ゴールデンテンプルのお不動さま

パタンの街角スナップ