わかものたちをとりまく困難な環境について
若い人たちにお伝えしたいこと
わたしのところには、不登校やひきこもりの相談が、わりとあります。
不登校やひきこもりが悪いわけではありません。
そこにはたくさんのたくさんのうずたかく積まれた、有形無形のものたちが見えます。
当事者は、それを一身に背負った状態です。学校へいかないことがだめなわけではありません。
ただ、わたしの立場では、拝む方向性を決めなければなりませんので、
上記のことを大前提としたうえで
「人間は動物。動いて五感を使って、健康が保たれます。
たとえば狭い部屋に一日中こもっていたら、それは心身にとって
健康ではいられません。また子どもたちはたくさん、いろいろな経験してほしい
ですよね。だから、学校に行けるように…という誓願を立てましょう。」
とお話します。
もちろん身体のどこかに故障や病気があったりする場合はその限りではありません。
わたしの仕事は、ご相談を聞いて現状を把握し、そのときそのかたに一番あった
解決に向かう道筋を決めることです。
それをもって、ご本尊や大明神に向かい、よいときに解決にむかうことをご祈祷いたします。
ベクトルを、元気で通学することに合わせる
2年前、「学校にいけない」という3年生のお子さんについて、ご相談がありました。
ご家族からお話をお聞きしてから、お子様御本人とお話をして、
ご祈祷のめぼしをつけてから、おりおりにご祈祷を行うようになりました。
最初こそ緊張していた感じだったお子さんですが、
回を重ねるにつれて僧侶になついてもくれました。
あるときにはてのひらにしっかりと握られたお菓子をニコニコしながら
渡してくれたときもありました。
おばあちゃんがいつも仏さまにお供えをしているのを見ていたのです。
仏神のサポートとは
やがてときどき休みながらも、少しずつ登校する日が増えていきました。
先日、そんなことを振り返りながら、ご家族とお話をしました。
なんでも、登下校を一緒にする友だちができて、毎日たのしく通学しているとの
ことでした。
行けたり休んだりを繰り返して、当然、そのときは通学時家族が送り迎えをしていたのですが
友だちと楽しくおしゃべりをしながら登下校をするようになった
そのお友だちやご家族にとても感謝している…ということをおっしゃいました。
お子さんはこの2年、ゆっくりゆっくり成長し、がんばって、登校して
遊んだり勉強したりできるようになった。
わたしはそれだけを仏神に祈っていたのでした。
プラスアルファは本人やご家族が、人生をともに味わいながら体験していかれることに
なります。
ご祈祷による仏神のサポートとはそんなかたちです。
がんばれることが、感謝なのですね。合掌のかたては御霊の誓願、
もういっぽうは現世の努力です。重ねていのりです。