三石不動尊の設立から5年

2月24日

令和7年2月24日は、わたしが住職となって5周年の記念日でした。

令和2年の2月24日に、高野山真言宗の非法人(宗教団体)・三石山不動寺としての設立総会を行ったのでした。その一年前に廃寺手続きを終えたばかりの前住職との約束で、わたしが入寺してふたたび宗教法人格を取得することで名義変更を行うということになっていたのでした。

そのときの私は「お護摩を行じることができれば満足」さらに「僧侶をしごとにする」ことが目標でした。僧侶は職業ではなく生き方だという言説はよくききましたが、わたしは女性僧侶として自立していきたかったのです。

ときはコロナ禍がはじまっていました。わたしは三石山不動寺で護摩祈祷をし、訪れてくる方々に話しかけて、Instagramでライブ配信をし、さまざまなとりくみをしながら新しいお寺づくりをしていきました。

バングラディシュ人の友人の僧侶がさいきんおもしろい名言を言っていたのですが「努力するということは経済的にも恵まれていくし、健康にもなる」。

努力するって、すてきなことなんですね。すごく素直な言葉だと思いました。

宗教法人法

さて宗教団体を設立して活動を3年間行った後、宗教法人として登記設立を行う手続きを半年かけてしました。宗教法人を新寺として建立するには、宗教法人法にのっとり、3年の活動実績と一定数の信者数など条件があり、地方自治体に書類を提出したあと国の機関である法務局で登記をすることになります。

登記設立は令和5年7月28日です。

そこへ至るまでのエピソードはほかのところで書いてありますので、そちらをご参照ください。このブログ内では、「マスコミ媒体への寄稿」というカテゴリーに詳しいです。

設立の経緯にはふしぎなことがたくさんありました。

5年という時間

信者さまとも話したのですが、5年間はほんとうにいろいろなことがありました。

三石不動では、わたしがお寺にいると必ずだれかがやってきて、なにかが起こると思っていて正解です。

山の中腹にあるのに、水をくみにくる人もありますし、わりと人が訪れます。和歌山県橋本市のシティーセールス推進課という部署では、市内各地の観光拠点の訪れる人数の調査を毎年されていますが、三石不動も毎年提出しています。紀州100選のお水と紅葉の名所で橋本市の観光拠点となっているのです。

5年間で、つぎの5年間へ進むさいに、幕内のような時間がありました。

春になったら幕が開いて慰霊祭が行われるはずです。

ここのところお寺も変化にさらされ、あたらしいことや見直すべき点がうきぼりにされたり、

長く水面下にあった課題が表面に出て来たりといろいろあります。

つぎの5年間では、できれば人材育成をしていきたいです。

僧侶に限らず、お寺を支えてくれる人をさらに増やしていきたいです。

いまもさまざまな方面からサポートがありますが、その輪を広げていきたいですね。

歳月

5年という歳月はどんなものなのか、わたしは48歳から53歳に。

ある信者さんが、わたしの48歳の写真をみて「これは大学生のときか?えらいわかいなあ」と軽口をいってみんなで笑うなどしました。「そんなにかわった?」というと、やはり年取ったというふうに笑うので、そしたら若手の女性信者さんが「ぜんぜんかわってないですよ~」とフォロー。

またみんなで笑いました。このお寺の磁場や吸引力はふしぎ。

少し遠ざかっていた人でもひょいと帰ってこられます。

何ねんぶりかで訪れる人も少なくありません。求める人たちを受け止められるようこれからも鍛錬していきますね。

5年間、ほんとうにありがとうございます。