ラ・フランスはお花ではなく…

わたしの師僧さんは学者さんで知的な方なんだけど、素顔はかわいらしいところがあり(こんなこというとおこられるかな)ます。

さいきん、ラ・フランスを師匠のお寺にお供えしたんです。橋本市産のラ・フランスです。

わたしが旅の途中に農家さん直送で送っていただいたのですが、届いたとの連絡なかったので、届いたかなと思っていたところ、きょう、旅から帰ってきて久しぶりに朝勤行にいったら「あなたがいなかったとき、あなたからお花が届いたようですよ」とおっしゃる。

「お花? フルーツはおくりましたけれど。ラ・フランスを」とおこたえすると

「ああ、お花だと思ったけどラフランという果物でしたか」と。

わたしは「はいフルーツですよ。ラフランではなく、ラ・フ・ラ・ン・ス」とゆっくり申し上げました。

なんかほほえましいやりとりをさせていただき朝からほっこりしました。

師弟関係を結ばせていただいたときは先生は68歳だったのに、いまは77歳になられ、ときのたつのははやいですし、いたわらなければならない年齢になられております。

お供えいただいた後、宿坊のお料理に使っていただけたのか、先生のお口には入らなかったようです。

このお寺で修行した3年間がわたしの土台となっています。祈祷僧となってからも、ときどき基本にかえる意味でご一緒に朝勤行に参加しています。

自分もしっかりと自分の足で立っていくことが先生が喜んでくださることだと思ってさらに精進しようと思います。

おもてにおわす観音さまは聖観音さまです。顔が丸いのですが、わたしは、この観音さまは自分自身に似ているなあとひそかに思って拝んでいます。