令和6年6月21日

托鉢行

令和2年3月より、毎月21日には京都の東寺さんで、托鉢行をさせていただいてきました。

これは、伝法灌頂を打ってくださった伝授阿闍梨さまが、数十年間お続けになられたご修行で、

高野山塔頭寺院で、となりのとなりのお寺の徒弟だった私が、山麓のお寺を復興することになったのを機に、師匠が頼んでくださり、伝授阿闍梨様のお寺のお坊さま方に交じって、托鉢行を行えるはこびとなったのでした。

東寺の西院門前(大師堂への入口)に托鉢ボックスを首からぶら下げて9時頃から15時ごろまで立ちお経をお唱えするという修行です。暑さ寒さに耐え、立ち続けることによる足の痛みに耐え、浄財をはこに入れてくださる方々に感謝してお数珠をすります。

このたび、長者さま(わたしにとっての伝授阿闍梨さま)は4年で任期満了となられ長者さまを7月20日をもってご退官なされます。

修行が終わって「4年間ありがとうございました」とご挨拶をさせていただきました。

托鉢行を4年間続けさせていただいたことで、さまざまなことを学ぶことができました。

托鉢行では、人の善意に触れることができます。

中央に意識があるときには、ボックスに浄財を入れてくださる方々の手が縁心状にきらきらと輝きながら伸びてくるのがわかります。

そして最近では、わたしが毎月高野山から来ているのを知って、あいにきてくださる方もいらっしゃいます。

伝授阿闍梨さまにおかれては、ご高齢にもかかわりませず、高野山と東寺の往復をなされ、ご法務に打ち込んでいただき、たいへん有難いことでした。

地図上で東寺と高野山を結び、また同じく地図上に中央構造線をひいてみると、その十字のところはわたしが預かっている三石不動尊の場所になります。

お大師さまは、若き日のご修行の場所を、東寺と高野山を行き来する際の定宿とされたに違いありません。

改めて、弘法大師の報恩に感謝し、伝授阿闍梨さまとのご縁に感謝し、師匠にも感謝した6月のお大師さまの日でした。

ありがとうございます。

4年間の托鉢行でお世話になったすべての方々に心から感謝の思いをお伝えしたいです。

また、さらにこれから、さらに新たな気持ちで取り組ませていただきたいと思っています。合掌