週刊佛教タイムス(令和6年1月25日号)
国際サンガ・フォーラムに参加して
世界の僧侶と平和を祈願
成道の地へ
令和5年12月17日~24日、インドを訪れた。インド訪問はヨーガ行者でもあった20代の頃からの宿願。後年、高野山に住み密教を学んだ。平成28年には高野山大学にて、ダライ・ラマ法王より不動明王の許可灌頂を受けた。高野山真言宗の僧侶となってからインド・チベットへの思いは深まり、ブッダガヤを中心とした仏跡巡りの他、12月20日~23日、ブッダガヤの国際コンベンションセンターで開催の「国際サンガ・フォーラム2023」に参加する運びとなった。世界35か国より約二千人の僧侶が参集、国家や宗派を超えた交流や研究発表が行われる。ガヤ空港に降り立つと、迎えに来てくださっていた友人が、橙色のマリーゴールドの花輪をかけてくださり感無量。ブッダガヤではお祈りに欠かせない花で、寺院や仏塔はこの花で美しく飾られている。
世界平和祈祷会
フォーラム最終日には、世界仏教の中心地といえる、ゴータマ・シッダールタが成道した菩提樹を中心におくマハーボーディ寺院に於いて、ダライ・ラマ法王を御導師とした、世界平和祈祷会が開かれ出仕した。国ごとに一列に並び、順に祈祷していく方式で、私たち日本は般若心経を全員でお唱えした。世界の僧侶が一同に会する、すばらしい式典に心が震え、全身で平和を祈念、仕合わせであった。努力はこんなふうに報われる。
法王との出会い
滞在中の21日に、日本団全員でのダライ・ラマ法王への謁見が実現。一人ひとり、チベット仏教の八宝が刺繍されたカターという白布を肩にかけていただき、法王の御手に触れた。温かで力強い、しかし幾多の試練を乗り越えてこられた苦渋も包括する御手に、自然におすがりしている自分がいた。跪いて見上げた法王の御顔は光に覆われはっきりとした輪郭を確認することはできなかった。
ゴータマ・シッダールタに守られていると強く感じ生きておられるというダライ・ラマ法王にとって、現在ご在住のダラムサラ以外に、ブッダガヤは特別な地とお聞きする。成道の地・ブッダガヤ。帰国後日が経つにつれ、深奥にふつふつと希望が湧き起こる、すばらしいインド巡礼であった。
仏跡巡礼参加者募集中
さて末尾になるが、「妙泉と行く仏跡巡礼8日間」という企画を準備中である。宗教の基本は心を豊かに伝え合うこと。何事も分かち合っていくことが一番の喜びと信じている。出発までに何度か勉強会を開催して、理解を深め出発できたらと考えている。いくつもの仏跡を巡るが、とくに、世界発の大学と称されるナーランダ僧院跡でのリトリートはトピックス。日本語を話せる現地ガイドが同行、関西空港集合解散、出発日程は調整中。どなたでもご参加いただけるので、ご希望の方はお問合せを。
budhgaya2023@gmail.com