佛教タイムス 令和7年5月1日号掲載記事

高野山

国際会議で発表続く

和歌山県橋本市・三石不動尊の佐藤妙泉住職は独自のネットワークでアジアの宗教者や研究者たちと交流し、インドの国際研究会議などでも真言密教について発表の機会を得ている。今年も会議招聘の話が着々と進んでいるようだ。

現在話題になっているのは、昨年11月14日にインド・デリーのインド国際センター(IIC)で行った「弘法大師と仏陀の瞑想について」と題する発表だ。(写真)

この発表は、一昨年、インド・ブッダガヤでダライ・ラマ法王に謁見したことが縁となり、学者のペマ・ギャルポ氏が佐藤住職をインド政府に紹介し実現。IICでは毎週、様々な講座を開いており「国際的に活躍する日本の尼僧に講演してもらおう」として設けられた。研究者や大学院生、一般会員ら約30人が聴講。司会は日本留学の経験をもつデリー大学のランジャナ・ムコパティヤーヤ教授が務めた。

佐藤住職は英語の原稿を作成し、瞑想や祈祷の実演も交えて講演。「中国から伝わった禅とブッダの瞑想の違い、私たちの祖師空海は、ブッダの瞑想に近い三摩地に入って奥之院にご入定なさっているということを話した」。

質疑も多く寄せられ、盛況だった。

今年はバングラディシュの僧侶から、多くの国から僧侶が集まるインドでの国際カンファレンス参加の誘いを受けているという。